「光」について考えてみましょう。
商品撮影をするときに、まず「考え方」というか、今までの感覚をがらっと変えてみましょう。それは「光」について少し考えていただければ、簡単かと思います。
今、皆さんの周りの「光」が消えて、「真っ暗け」となったとします。
何か見えますか? 真っ暗なら見えないですよね。
人間の眼も、デジカメも、フィルムカメラも、ビデオカメラも、皆同じです。「光」が無ければ見えませんし、写りません。(もちろん少量でもあれば、写ることは写りますが・・)
このことから、ご理解いただけるように、私たちは何かを撮影しようとするとき、その対象物、つまり被写体「自体」を見てしまいます。
しかし、写真は実は「対象物」を写しているのではなく、対象物にあたって、反射した「光」を写しているのです。
もう少し詳しく言いますと、まず太陽・電灯・蛍光灯等の「光源」から光が放たれて、対象物の「被写体」にあたります。すると「光」は被写体で反射されて、レンズの方へ進みます。それが眼であれば「見えるモノ」写真であれば「写るモノ」になります。
つまり、そこには確かに対象物はあるのだけれども、撮影しているのは、その対象物にあたって反射してきた「光」であるということ。
このことを証明するためには、その環境を「全暗黒」にしてしまえば、確かにそこにはモノがあるのだけれども、見えない・写らないと言うことになります。
以上のことから、写真は実は「モノを写しているのではなく、光を写している」という事になります。
写真を撮影するときに、被写体にあたっている光を観察する。また光のあて方を変えてやる。これが写真撮影の基礎中の基礎であって、私たち仕事にしている人間でも時には忘れてしまうことでもあります。
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